小腸内細菌異常増殖症(SIBO)を抱えていると、日によって体調に波があり、食後に強い膨満感や不快感を感じることがあります。
そんな時、無理して食べるよりも、思い切って食事を控えることが、かえって体を楽にしてくれる場合があります。
食べない方が楽に感じる理由
腸内細菌のガス産生が減る
食事を取ると腸内細菌が餌を得てガスを発生させます。これがSIBO特有の張りや痛みにつながります。
食事を控えると、このガス発生が抑えられ、症状が軽くなることがあります。消化の負担を減らせる
食べ物を消化するためには、血流やエネルギーを消化器に集中させる必要があります。
体調が悪いときにこの負担は大きく、空腹を保つことで体が休まりやすくなります。腸の「お掃除運動(MMC)」が働く
食事と食事の間に訪れる空腹時間には、小腸で「掃除機」のように食べ残しを押し流す働き(Migrating Motor Complex)が起こります。
これはSIBO改善に役立つ重要な仕組みです。
ただし「絶食」には注意
一方で、長期間にわたる絶食はおすすめできません。栄養不足で体力が落ちると、かえって回復が遅れてしまいます。
そこで大切なのは、体調に合わせて柔軟に食事をコントロールすることです。
体調が悪いときにおすすめの工夫
少量の軽い食事(バナナ、ゆで卵、白米など)を選ぶ
水分は常温で、冷たい飲み物は避ける
消化に負担が少ない調理法(蒸す・煮る・柔らかくする)を意識する
無理に3食食べるのではなく、**「食べたいときに軽く」**でOK
バナナを常備しておくと安心
体調が悪いときの軽食として特におすすめなのがバナナです。
そのまま食べられて調理が不要
消化にやさしく、糖質とカリウムを補給できる
完熟に近づくほどFODMAP(発酵性糖質)が減り、SIBOの症状を起こしにくい
そのため、バナナは買いだめして常温で置いておき、少し黒い斑点(シュガースポット)が出るくらいまで熟させると、SIBO体質の方にもより相性が良くなります。
「体調が悪くて何も作る気がしない」ときでも、完熟バナナがあれば安心して口にできる軽食になります。
まとめ
SIBOで体調が優れないときには、「食べなければいけない」という思い込みを手放して、思い切って食事を控えることも有効な選択肢です。
ただし、完全な絶食ではなく、必要に応じて消化にやさしい軽食を取り入れることで、体に負担をかけずに過ごすことができます。
特に、完熟バナナを常備しておくことは、体調が不安定なときの強い味方になります。
無理をせず、体の声に耳を傾けることが、SIBOとの上手な付き合い方につながります。